弁護士コラム

小規模宅地の減額の特例って何ですか。

 相続税の特例の中でも、小規模宅地の減額の特例が一番利用されているといっても良いのではないでしょうか。

 

 生前に亡くなった方の宅地は、同居する家族が引き継ぐ場合が多いのですが、これに高額な相続税が課されてしまうと「換価分割」しないといけないこと、よくあることなのです。

 

 別のコラムでも書きましたが「換価分割」というのは相続の平等というよりかは、「納税資金対策」のために行われているのが実情なのです。

 

 そこで被相続人と生計を一にしていた親族の事業ないし居住の用に供されていた宅地等については、一定の要件の下、なんと限度面積の範囲まで最大80パーセント!の減額があるのです。

 

 そもそも日本の相続のうち半分の資産は不動産なのです。ですから、宅地の遺産相続についてはこの特例を受けられるかどうかは、基礎控除枠の縮減に伴いとても重要なポイントになりました。

 

 その要件ですが、「生計を一」にしていたということと、事業ないし居住の用に供されていたことが必要となります。

 

 居住用の場合についていえば、被相続人の親族が取得した部分につき限度面積240平方メートルまで80パーセント減額されます。

 

 同居親族の場合は、申告期限まで引き続き宅地等を所有し、かつ居住していることが要件となります。

 

 そして、例えば、被相続人と配偶者2名で居住していた自宅につき、妻が取得する場合は、240平方メートル(平成27年1月1日以降は330平方メートル)までの限度で80パーセント減額となります。

 

 また、別居親族であっても、一定要件で特例の適用を受けられる、というのがポイントです。

 

 相続開始3年以内に別居親族(自分のこと)またはその配偶者の持ち家に居住していないこと、相続税の申告期限まで宅地を保有すること、被相続人の配偶者または同居の法定相続人がいないことということになります。

 典型的には、賃貸住宅に住んでいた長男が、遺産分割によって相続開始を知った日の翌日から10ヶ月間保有を継続すれば特例の適用を受けられます。土地の価額が80パーセントを減額される可能性があります。

 

 逆に、持ち家を長男が持っている場合には、この小規模宅地の特例の適用を受けることはできません。

 

 そして何より重要なのは、同居親族にしても、別居親族にしても相続税申告、つまり10ヶ月内に宅地等を所有していることが要件になっていますから「遺産分割」を終わらせておかないと、小規模宅地の特例の適用は受けられない、ということです。増税により、今後はスピーディーに遺産分割をすることが求められるようになるといえるのではないかと考えられます。

2014/05/16