弁護士コラム

封印のある自筆証書遺言を開封したいとき

浅井隆聖さんから、父から「自分が書いた遺言書だからもしものとき読んでくれ」と頼まれ、封印された遺言書を預かっていました。この度、父が亡くなってしまったので中身を確認したいのですが、勝手に開封してもよいのでしょうか。裁判所の手続きは面倒くさいし、僕はひとり息子なので。

 

原理原則は自筆証書遺言は、勝手に開封しないで、そのままの状態で直ちに家庭裁判所に対して提出して検認の手続きをとるようにしましょう。

 

また、検認後にされた遺言書については、裁判所に対して遺言書検認済み証明申請をすることができます。ここでは、執行にあたって検認を受けておいた方がよいので、ひとり息子だからといって、裁判所の検認を省略することのないようにしましょう。イメージ的にいうと審判廷で、裁判官が、遺言書を開けて、文字など

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2017/12/14

遺言書が文面全体に斜線を引く行為と遺言の撤回

最高裁平成27年11月20日は、自筆証書遺言に故意で、ボールペンで車線を引いた場合は、遺言の全ての効力が無効になるとして、民法1024条前段の「故意に遺言書を破棄したとき」に該当し、遺言を撤回したものとみなされると判断しました。

 

この点、おそらく読めないように朱抹してあれば撤回は明らかなのでしょうが、赤色ボールペンで斜線がひかれているだけで、文字も判読できることから,トラブルになったものと思われます。

 

一般的に、元の文字が判読できる場合は、抹消ではなく変更と考えられています。したがって、変更の場合は民法968条2項の方式に従っている必要があります(そうでないと「変更」の効力が生じない。)。

 

ですから、本件は、そもそも破棄なのか、変更

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2016/07/30

ほぼ唯一の財産を生前贈与して相続放棄した場合

AさんとBさんは婚姻をしていますが、夫のBさんには前妻との間のこどものCさんがいます。

 

他方、AさんもBさんも、普通の会社員であり、数年前に中古のマンションを購入し、現金などの流動資産は少なくなってしまいました。

 

そうした中、Bさんがなくなりました。Bさんはすべての財産をAさんに相続させる遺言をのこしていましたが、Aさんは、Bさんには負債もあったことから相続放棄をしました。

 

そこで唯一の相続人となったCから、Aさんは、遺留分減殺請求を受ける可能性はあるのでしょうか。

 

まず、注意点としてAさんは相続放棄をしなければ生前贈与のマンションは特別受益になります。相続放棄をした場合は、実は第三

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2016/06/05

意外と便利な秘密証書遺言

相続開始のときの遺言の種類ですが、パーセンテージが少ないものの、秘密証書遺言というのは意外とおすすめです。

 

遺言については、自筆証書遺言は無効になりやすいということですが、公正証書遺言は費用が高く場合によっては数万円の人もいれば50万円程度とられてしまう人もいます。

 

また、最近体験をしたことですが、自筆証書遺言の場合は不動産の番地が間違っていたり、登記簿と異なっていたりすることがあり、結果登記ができないということがありました。私は司法書士資格ももっておりますので、登記ができるかどうかの確認もできますので、ご安心ください。

また、公正証書遺言は、遺言される方が遺言の内容を説明しないといけないということで、時間がかかり負担がかかるので大変だ、ということもあります。続きを読む

2014/07/19

遺言無効確認の訴えを起こされたい方

 最近、遺言無効確認の訴えについてのご相談等をお請けしました。

 

 遺言が有効であるためには、遺言能力ないし意思能力、つまりは法的判断ができるくらいの精神能力が必要といえます。

 

 この点、判例をみると脳溢血の後遺症として脳動脈硬化症のため中等度の人格水準低下と痴呆がみられる、というケースがあります。

 

 このケースは遺言能力を否定されました。

 

 また、脳梗塞により、遺言の8日後に多発性脳梗塞により意識不明になった状態になったというケースがありました。

 このケースでは、本件遺言の数ヶ月前から周囲の者の言動に迎合し、自分の財産の管理の意向をころころ変えていたという事情があ

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2014/07/06

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