遺留分減殺請求を受けてしまった方

遺留分減殺請求を受けてしまった場合,誠実に対応することが望ましいといえます。ベストな遺留分減殺請求による防御の選択をご提案します。

遺留分減殺請求を受けてしまった場合,誠実に対応することが望ましいといえます

遺留分減殺請求を受けてしまいました

最近、本屋さんにおいてエンディング・ノートが売られています。エンディング・ノートには自筆証書遺言を作成するキットも含まれているようです。

もっとも、遺言は、遺言を遺される方だけではなく、推定相続人の方々も関心を持っています。法律法律家のアドバイスがなく、「遺産のすべてを長男に相続させる」と書いてある遺言も少なくないと思います。

本家の方としては、世代を継いで残していくため、家に残った子どもに財産のすべてを相続させるという遺言を作ることが多いように感じます。しかし、推定相続人、つまり配偶者、お子さまには、遺言によっても相続分の割合を変えられない遺留分という権利があります。奥さんや子どもが遺留分権利者の場合は、法定相続分の2分の1ということになります。

また、次男様が「亡くなった父が遺言で長男にだけ財産を渡した」とお怒りに接したことがあります。お怒りの理由は「自分の取り分がない」という点以外に、「知らないところで相続が進められていた」ことに対するお怒りやプライドを傷付けられたというお気持ちがあります。私たちは、こうした遺留分減殺請求をしてこられた方の思いも酌んで、最良の解決を目指します。

遺留分減殺請求を受けた事例ご紹介

例えば愛西市でお父様Xがお亡くなりになり、お母様Y、長男A、次男B、長女Cの4名が法定相続人となります。もっとも、本家で跡を継ぐのはAさんでXさん、Yさんの介護をしてきたのもAさんでした。また、Aさんは家業の農業を継ぎ、Bさん、Cさんは、私立大学、東京大学・同大学院に進学して、大企業でそれぞれ働いています。

そこでXさんは、お亡くなりになる前に遺言を作成して、「全て長男Aに相続させる」という遺言を遺されました。

この遺言通りということになりますと、お父様Xの遺産はすべて長男Aさんが相続をすることになります。また、Aさんのお気持ちとしては、B、Cさんは、大学教育を受けて援助を受けたのですから特別受益がある、と主張したいところですし、自分は青春を費やして農業に取り組んだしXさんの介護もしているので、寄与分があるはず、寄与分は遺留分算定の基礎から外すべきと主張したいところでした。

しかし、心理的には実家で面倒をみている長男Aさんの大変さというのは実家以外で生活しているご兄姉にはなかなか分かってもらうことは難しいことです。また、Xさんは、たまに会う妹CさんにXさんは「Aの嫁Dは何の世話もしてくれない」という愚痴をいっている、ということもあります。

そこで、B、CはAに対して遺留分減殺請求を行い、またXさんが亡くなる前に多額の預金が引き出されているとして、横領を理由として損害賠償請求を起こしてきました。

遺留分減殺

遺留分減殺

遺留分減殺というと、すごい言葉だな、と思われる方もいるかもしれませんが、遺言によって既に被相続人の遺産のすべては長男に移転していることになります。

そこで遺留分減殺請求をすると、長男の持分のうち、遺留分に相当する分(法定相続分の半分)が、長男と減殺請求をした方との「共有」の状態となります。

共有状態の解消は遺産分割により行うことになります。

遺留分は、子どもであれば親の相続によって住宅ローンを一部返済すること、子どもの大学費用に充てることなど「あて」にしていることがあり、我が国の慣習としてもそのような期待は法律上の保護をするべきもの、と考えられているため、このような制度があります。

遺留分減殺の訴訟

遺留分減殺については、調停か訴訟を行うことになります。特定の不動産について共有名義を得たいということであれば、登記手続の意思表示を求めて訴訟を行うことがあります。

息子に事業を継がせたい場合(事業承継)

中小企業の代表者が亡くなった場合に、事業用資産が各相続人に分割帰属すると、事業の存続維持に支障を来しかねません。ですから、中小企業の代表者、個人事業の方で従業員がいる方にとって相続は家庭の問題だけにとどまりません。

そこで民法の特則の法律があります。一定規模の中小企業の代表者から、推定相続人の1人が事業後継者とされている場合に特則の適用があります。具体的には、推定相続人全員の合意により、①後継者が取得した株式・財産の価額を遺留分の基礎財産に算入しないこと、②算入した場合でも、合意時に価額を固定することなどの内容を定めることができます。

ただし、合意が成立したときは、経済産業大臣に申請して家裁の許可が必要になります。事業承継の特則を用いるのはハードルが高いといえますが、株式・財産の価額の評価が心配という方は、この特則に限らず事業承継の提案をさせていただいております。お気軽にお問い合わせください。

弁護士に相談するメリット

弁護士に相談するメリット

遺留分減殺請求をされる側というのは「防御」をする側です。一般的に「攻撃」をする側よりも「防御」をする側の方が立場としては優位であるといわれています。ですから、遺留分減殺請求をなされてしまった本家の方もあわてずに、まず弁護士に相談することをおすすめします。

遺留分は、子どもの権利といっても良いですから、これをゼロにすることはできません。それほど強い権利です。しかし、「防御」する側は本家であるための人間関係、資料がある、情報を入手しやすいという立場にあります。

遺留分の算定にあたっては、相続債務をきちんと明らかにする必要があります。

ご依頼をいただきますと、一般的な攻撃防御の他に、起こされた訴訟独自の戦い方があるかを検討してご説明いたします。遺留分権利者が特別受益財産を得ているときは、その価額を控除して遺留分は算定されることになります。これらは、遺留分算定の基礎には債務も含みますので、弁護士が調査を行います。

また、不動産のように財産評価が必要、というように、複雑な問題が出てきた場合でも、その分野に精通している弁護士に依頼することにより、人生に一度あるかないかの相続の納得度を高めるものとすることができます。

上記の例でも寄与分を遺留分算定の基礎から除くことは裁判例から難しいのですが、減殺後に共有関係の解消を遺産分割で行う場合には寄与分を主張することは可能です。

 特別受益についてもゴールを定めて行うことが大事です。①被相続人から相続人の一部に対して特別受益と主張される資産や資金の生前贈与または遺贈にあたる法律行為があったかどうか、②物の特定及びその物の価額、③生前贈与が特別受益になるのか、④被相続人に、民法903条3項所定の持ち戻し免除の意思表示ないしこれを推認させる行為は事実関係はあるか、特別受益価格をいくらと評価するか-という問題があります。  これらの作業は陳述書、証言を収集することになりますが、親族間の法律行為なので書類等が存在しないことが多いといえます。また、特別な受益でなければいけませんから法律要件に沿った生前贈与又は遺贈をした目的や意思、これを推認させる事実、他の相続人が受けた者との比較や家族としての処遇の対比を中心に事情聴取を行うことになります。当事者に必要な資料の提出を求めたり行政に照会したり、消費者物価指数を用いた現在価値への引き直しなど、弁護士の関与がなければ、主張の整理が難しいことが多いといえます。

手続きの流れ一例

  1. 遺留分減殺請求を受けてしまった場合
  2. 遺留分の確認をする
  3. 相手に特別受益がないか徹底調査
  4. 遺産分割案の作成と分割方向性の検討
  5. 遺産分割案の作成と分割方向性の検討
  6. 例えば遺留分相当の金銭を支払うことで合意など
  7. 遺産分割協議書の作成と押印
  8. 遺産分割手続が完了

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